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秋田魁新報 聴診記 がんゲノム医療
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    JUGEMテーマ:がん全般

    1月26日秋田魁新報 聴診記

    「がんゲノム医療」について解説しました。

    聴診記ゲノム001.jpg

    以下本文

    聴診記/橋爪隆弘/がんゲノム医療/

     厚生労働省は16日、2016年にがんと診断された患者数が99万5千人で過去最多を更新したと発表しました。本県の人口10万人当たりのがん罹患率は446・3で、長崎県に次いで全国第2位。部位別でみると大腸がんが全国1位、胃がんは2位という結果でした。地域差の理由ははっきりしませんが、食塩の摂取量や喫煙率などの影響も考えられます。統計結果を受けて、県民一人一人が生活習慣を見直し、がん検診を積極的に受ける必要があると思います。

     がん診療の世界で最近、「がんゲノム医療」が注目を集めています。東北では、東北大病院が「がんゲノム医療中核拠点病院」に指定され、本県からは秋田大医学部付属病院が東北大病院と連携する体制を取っています。

     そもそも、がん組織は正常な細胞の遺伝子が傷付いて変異し、増殖が止まらなくなることでつくられます。変異の外的要因としてはたばこやウイルス、ピロリ菌などが有名ですが、生まれつき遺伝子変異を持っている人もいます。

     近年、医学の進歩に伴い、特定の遺伝子変異に効果がある「分子標的薬」が次々に開発・実用化されてきました。HER2遺伝子を発現している胃がんや乳がんに用いる「ハーセプチン」、肺がんでEGFR遺伝子の変異に用いる「イレッサ」などが知られ、一部は保険適用もされています。

     がんゲノム医療は、手術や検査時に採取したがん組織の遺伝子変異を網羅的に調べることによって、最適な薬や治療法につなげようとする医療です。専用の検査機器で、がんに関連する100種類以上の遺伝子変異を一度に調べます。現時点では保険対象外のため、70万円ほど費用がかかりますが、厚労省は希少がん、小児がん、原発不明がん、標準治療不応の固形がんについての保険適用を検討しています。

     ただし、この検査を受けた全ての患者さんに遺伝子変異が見つかるとは限らず、仮に見つかっても、それに応じた治療薬がない可能性もあります。国立がん研究センターが行った臨床研究では、先の検査を受けた187人のうち、見つかった遺伝子変異に応じた治療薬が投与できたのは25人(13・3%)でした。

     がんゲノム医療は始まったばかりです。がん治療においては、新しい情報にやみくもに飛びつくのではなく、医療者とよく相談して本人にあった治療と、これからの生き方を考えてもらいたいと思います。

     (はしづめ・たかひろ はしづめクリニック院長、秋田市)

    posted by: hashizume-c | 医療 | 08:13 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
    12月27日(木)まもなく雪景色
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      JUGEMテーマ:がん全般

      12月27日(木)今年最後の手術は能代の病院

      午前10時開始に合わせてJRで移動

      そろそろ帰省客がちらほら

      リゾート白神は運休中

      手術は予定通り終了

      PC270083.JPG

      夕方には歩行して病室に戻る

      午後4時を過ぎると吹雪もよう

      秋田に帰れるだろうかと思いながら外来診療

      受診する患者さんも移動は大変なのだ

      本格的な冬の季節がやってくる。H

      posted by: hashizume-c | 医療 | 17:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
      12月1日(土)オプジーボ
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        JUGEMテーマ:がん全般

        12月1日(土)秋田魁新報 聴診器

        ノーベル賞で話題になった、がん治療薬「オプジーボ」。

        免疫チェック阻害薬のメカニズムについて書いてみました。

        聴診記オプジーボ002.jpg

        以下原文です。

        聴診記/ノーベル賞と新薬/

         京都大の本庶佑特別教授が、今年のノーベル医学生理学賞を受賞しました。本庶氏は1992年、がん細胞を攻撃する免疫細胞にブレーキをかけるタンパク質「PD1」を発見し、医学の発展に貢献したことが高く評価されました。今回は、このPD1を基に開発された新しいがん治療薬のメカニズムと、注意点を取り上げます。

         ヒトの体内において、自分の体の細胞でないものを「異物」と呼びます。細菌やウイルスなどはその代表格で、異物が入るのを防いだり、排除したりして体を守る働きは「免疫」です。がん細胞は、正常な細胞から発生した異物まがいのもので、免疫機構を上手にかわして成長するとも言われています。

         免疫で中心的な役割を果たすのが白血球で、そのうちのリンパ球T細胞が今回のPD1を持っています。

         免疫はいつも同じ状態ではなく、アクセルとブレーキを上手に使い分けています。異物が侵入するとアクセルがかかって免疫細胞の攻撃が強まり、役割が終わると攻撃の手を緩めます。免疫が強くなり過ぎると自己免疫疾患などの病気になるので、私たちの体は通常、自らの免疫反応を抑制する仕組みを備えています。

         がん細胞は、この抑制の仕組みを利用して、免疫からの攻撃を逃れるすべを持っていることが分かってきました。がん細胞の表面にタンパク質でできたアンテナを出し、リンパ球T細胞にある「攻撃中止命令を受け取るタンパク」に結合、免疫細胞の働きを弱めてしまいます。この命令を受け取るタンパクを「免疫チェックポイント」と呼び、その一つがPD1です。

         がん細胞が免疫チェックポイントに結合しないようにすれば、免疫細胞が攻撃の手を緩めることがなくなる、という考え方に基づいて「免疫チェックポイント阻害薬」が開発されました。

         「オプジーボ」は日本の製薬メーカーが開発したPD1阻害薬で、非小細胞肺がん、悪性黒色腫、腎細胞がん、ホジキンリンパ腫、胃がんなどに効果が認められていますが、これら全てのがんに効果があるわけではありません。オプジーボや同様の薬剤は現在、乳がんをはじめ多くのがんに対する臨床試験が行われており、今後適応が広がると期待されます。

         しかしオプジーボの場合、年間の医療費は平均1500万円以上とも言われます。高額療養費制度により、個人の負担額はある程度抑えられたとしても、保険財政がひっ迫することは避けられないと思います。皮膚障害や肝機能障害、間質性肺炎など重い副作用の報告もあり、使用には十分な注意が必要です。

         (はしづめ・たかひろ はしづめクリニック院長、秋田市)

        posted by: hashizume-c | 医療 | 08:05 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
        11月23日乳がん検診学会(大阪)
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          JUGEMテーマ:がん全般

          第28回乳がん検診学会(大阪)に参加。

          大阪国際会議場まで淀屋橋のホテルから歩く。

          冬の街の空は高く風が冷たい。

          15分ほどのウォーキング

          DSC_9654.JPG

          学会発表中の写真撮影はNG

          1、高濃度乳房への対応について

          「MMGで全体に白くうつる乳房は、乳がんの発見が難しい」

          確かにその通り。

          クリニックに来院する被験者には直接伝えている。

          しかし「乳がんのリスクが高いわけではない」

          正確な情報発信が必要だろう。

          2、MMG単独検診

          「視触診だけでは、乳がんは見つからない」

          確かにその通り。

          「MMG撮影のみの検診」

          「視触診をする場合はMMGを撮影すること」

          が国の指針。

          集団検診では、受診者は医師の診察を受けないでそのまま帰宅。

          後日2次検査の結果が届いて驚く状況。

          なんだかすっきりしない。

          クリニックで検診を受ける方には全員説明はしているが、

          どうなんだろう。

          まだ課題があるように思えた。

           

          土曜日の診療があるのでそのまま秋田へ直帰。

          伊丹空港は改装工事中。

          DSC_9655 (1).JPG

          お好み焼きを食べないと帰れない。

          秋田は雪が舞っているらしい。H

           

           

           

           

           

           

           

          posted by: hashizume-c | 医療 | 22:35 | comments(1) | trackbacks(0) | - |
          がん100万人の時代へ
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            JUGEMテーマ:がん全般

            平成30年10月6日(土)秋田魁新報「聴診記」

            がん罹患について投稿しました。

            日本全体で100万人、秋田県では約1万人ががんに罹る時代です。

            聴診記がん罹患001.jpg

            以下本文です。

            国立がん研究センターは先月14日、2014年に新たにがんと診断された患者数が約86万7千人に上ったと発表しました。同時に、18年には男性57万4800人、女性43万8700人、合わせて101万3600人が新たにがんと診断されると推定しました。

             がんの部位別でみると、全国では男性が胃、肺、大腸、前立腺、肝臓の順で多く、女性は乳房、大腸、胃、肺、子宮の順でした。男女合計では前回2位だった大腸がんが、胃がんに代わり1位となりました。

             一方、本県の状況については15年のデータが既に公表されています。県がん登録部会がまとめた地域がん登録集計報告によると、本県では15年の1年間に約9500人が新たにがんと診断されたと推定されます。部位別では男性が大腸、胃、肺、前立腺の順に多く、女性は大腸、乳房、胃、子宮の順でした。男女共に胃がんが減少し、肺がんが増加傾向を示しています。

             国立がん研究センターの統計(14年全国がん罹患モニタリング集計)でみると、人口10万人に対する本県の部位別がん年齢調整罹患率は、胃が男女共に全国4位、大腸は男性が1位、女性が2位。年齢調整がん死亡率は、本県の男性が全国2位、女性は13位。中でも胃がんは男性3位、女性1位、大腸がんは男性3位、女性5位であることから、胃がんと大腸がんの対策が特に重要と考えられます。

             胃がんの発症率が高い地域の特徴として、食塩摂取量の多さと喫煙率の高さが挙げられます。本県でも、伝統的に魚や野菜を塩漬けにして保存食としてきました。がん研究センターが男性2万人を10年間追跡調査した結果、みそ汁や漬物、タラコや明太子などの塩分の高い食品を毎日食べるグループは、胃がん発症のリスクが塩蔵魚卵は2・44倍、塩辛は3倍以上になったと報告しています。

             胃がんを引き起こす細菌であるヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、胃の中にいます。高塩分の食品は胃の粘膜を塩漬けにし、粘膜の防御機能を弱めてしまうため、結果として胃がん発症の原因になると考えられます。全国的に胃がんが減少傾向にあるのは、ピロリ菌の除菌が一般的になってきたことも一因です。

             大腸がんの発症については、食生活が肉食に偏り欧米化が進んでいることや、飲酒習慣などが関係しているとされています。

             日本人の2人に1人ががんになる時代です。食生活を見直すこと、禁煙すること、受動喫煙させないこと、がん検診を受けること。そして2次検査の場合は、医療機関で精密検査を必ず受けることで「健康寿命日本一」を目指したいと思います。

             (はしづめ・たかひろ はしづめクリニック院長、秋田市)

            posted by: hashizume-c | 医療 | 22:43 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
            受動喫煙対策について
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              JUGEMテーマ:がん全般

              8月11日(土)秋田魁新報「聴診記」

              秋田県の受動喫煙について投稿しました。

              聴診記受動喫煙2002.jpg

              以下本文

              7月中旬秋田市の城東中学校で開かれた「10代のためのがん教室」に参加し、2年生約180名を対象に授業をしてきました。

              前半では、がんについての基本的な情報を説明し、がん患者団体の方から験談を語ってもらいました。後半は「大切な人をがんで失わないために何ができるか」をテーマにグループワークを行い、出された意見を全体で共有しました。

              がんで死亡する男性の3分の一はたばこが原因であることと、受動喫煙ががんのリスクを高めることも話をしました。すると生徒からは「親に禁煙してもらう」だけでなく「たばこ代を進学費用に回してもらう」などの意見が出ました。たばこの害について家庭で話し合うきっかけになったのではないかと思います。

               2016年秋田県の喫煙率は男性が33.9%で全国第7位。女性は8.5%第19位でした。年代別でみると20代は男性40.0%第3位、女性14.4%第4位、40代男性46.4%第4,女性は19.3%第5位などと総じて子育て世代の喫煙率が高いことがわかりました。両親がたばこを吸いながら子供を育てている家庭も多いとみられ、受動喫煙が懸念されます。

               20年東京五輪・パラリンピック開催に向けて7月には受動喫煙対策を罰則付きに強化する改正健康増進法が成立しました。しかし既存の飲食店では店舗面積により規制から除外されるなど、世界基準である屋内、公共施設の全面禁煙には程遠い内容です。

               分煙していればよいという意見もありますが、WHOは「分煙は受動喫煙の防止に無効である」と指摘しています。また近年利用者が増えている加熱式たばこについても、WHOは「従来のたばこと同様に規制すべき」との見解です。燃焼によって生じる有害物質を抑えるだけであって、従来のたばこと変わらないニコチン量を持つ上、発がん性物質を含む有害物質が検出されたという報告があるためです。

              受動喫煙防止条例は神奈川県や兵庫県では、すでに施行されており、6月には国より厳しい規制を盛り込んだ東京都条例が成立しました。本県ではどんな内容の条例が制定されるのか、今こそ本気度が試されます。

              8月は夏祭りや帰省で、全国から多くの方が本県を訪れます。駅や空港、道の駅で、あるいはホテルや旅館、飲食店、花火大会などのイベント会場で適切な受動喫煙対策が取られているでしょうか。「健康寿命日本一」を目指す県として恥ずかしくないものでありたいと思います。

              はしづめクリニック院長 橋爪隆弘

               

              posted by: hashizume-c | 医療 | 08:58 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
              7月19日(木)がん教室(秋田市)
              0

                JUGEMテーマ:がん全般

                7月19日(木)秋田県教育庁主催

                「10代のためのがん教室」

                秋田市立城東中学校2年生約180名を対象に実施しました。

                秋田市も30度近い気温

                体育館に扇風機を10台を準備して熱中症対策。

                午後1時30分から2コマ90分の授業。

                前半35分:がんについての講義

                1、二人にひとりががんになる

                2、生活習慣が重要

                3、喫煙、受動喫煙のリスクについて

                4、検診の意義

                5、手術、抗がん剤、放射線治療が3本柱

                6、正確な情報を学ぶこと

                つづいて患者会の代表から乳がんの体験談

                後半はグループワーク40分

                がんにならないために、なった時に自分ができること

                各班、各クラス、全体討議

                今回積極的な意見が多数

                「検診の重要性を両親に説明する」

                「たばこをお酒をやめてもらい、そのお金で進学費用にする」

                「自分が医師になる」

                「医師と結婚する」

                などなど、若い意見に驚きました。

                質問コーナーでは

                「標準治療とはどういうものですか」

                かなり鋭いものです。

                 将来多いに期待できる内容でした。H

                 

                 

                 

                posted by: hashizume-c | 医療 | 22:19 | comments(1) | trackbacks(0) | - |
                7月5日(木)盛岡出張
                0

                  JUGEMテーマ:緩和ケア

                  7月5日(木)岩手医科大学高度看護研修センター

                  緩和ケア認定看護コースの講義

                  朝7時16分 こまち4号に乗車

                  P7050032.JPG

                  大雨で運休になることがおおい「こまち」

                  時間通りに盛岡駅に到着

                  P7050033.JPG

                  「こまち」は「はやぶさ」に連結されて東京へ向かう

                  本日の講義は「呼吸困難の症状緩和」

                  P7050034.JPG

                  午前は講義中心

                  呼吸困難で困っていること

                  「主治医がモルヒネを使うのをためらう」との多数の意見。

                  若い医師は処方してくれるのだが・・・

                  午後はIMSのYGC先生の呼吸困難のケアの講義

                  後半はグループワーク

                  P7050035.JPG

                  受講生のレベルは高く、将来が楽しみである。

                  午後6時に終了。講師のYGC先生と駅前で焼肉&冷麺

                   

                  盛岡のさんさ踊りは8月1日からのようだ

                  帰りのこまちでは爆睡でした。H

                   

                  posted by: hashizume-c | 医療 | 23:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
                  6月25日(月)看護学校講義その4
                  0

                    JUGEMテーマ:がん全般

                    看護学校1年生の講義も4回目

                    今日のお題は、「個人情報の保護、守秘義務」

                    SNSの時代

                    インスタグラムを使用している学生が3割ほど。

                    FaceBookは2割弱

                    臨床実習などで得た情報は、クローズされているグループでも

                    「決してSNSに出してはいけない」

                    実例;

                    「実習で担当している患者の話をスターバックスでしていたら、

                    関係者が話を聞いていた」

                    「有名人が入院していたことを、高校の同級生に話した」

                    その後、話が広まり学校に連絡が来たケース。

                    などはいずれも停学処分になった。

                    看護師や職員が行った場合は、懲戒免職もあると紹介。

                     

                    グループワークはロールプレイ

                    「親戚が入院中の患者の容体を聞いてきた」

                    私が親戚役を行い、学生は看護師役でロールプレイ

                    ロールプレイ後よかった点をフィードバック。。

                    2人に行ってもらったが、気持ちへの配慮する言葉などが

                    ありかなりの出来栄え。

                    将来に期待できると感じた。

                    次回で講義は最終回。

                    若い人に教えるのも勉強になるなあ。H

                     

                     

                     

                    posted by: hashizume-c | 医療 | 19:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - |
                    6月23日(土)がんと妊孕性(にんようせい)秋田魁新報
                    0

                      JUGEMテーマ:がん全般

                      6月23日(土)秋田魁新報 聴診記

                      「がんと妊孕性」について投稿しました。

                      聴診記妊孕性jpeg001.jpg

                      以下原文です。

                      かつて20代で乳がんの治療を受けた患者さんから「子どもが生まれました」と最近連絡をもらいました。温存した乳房に放射線治療を行ったので、母乳が出るか心配していましたが「母乳で育てることができた」とのことでした。若くして乳がんの治療を受けた患者さんが結婚、出産し、子どもを育てていることを、主治医として大変うれしく思いました。

                       日本では乳がん患者の約5%が40歳未満で、がんを発症した時点で将来の妊娠、出産を希望する人も少なくありません。がん治療による不妊は、若年がん患者の治療後のQOL(生活の質)を下げる要因の一つとなっています

                       昨年10月に閣議決定された第3期がん対策推進基本計画には、取り組むべき施策として「国は、関係学会と協力し、治療に伴う生殖機能などの影響など、世代に応じた問題について、医療従事者が患者に対して治療前に正確な情報提供を行い、必要に応じて、適切な生殖医療を専門とする施設に紹介できるための体制を構築する」と明記されています。

                       5月中旬、国立京都国際会館で第26回日本乳癌学会学術大会があり、若年のがん患者の生殖機能保護のセッションに参加してきました。一般にはなじみが薄いと思いますが、生殖機能のことを医学用語では「妊孕性」(にんようせい)と言います。

                       乳がん治療に使う抗がん剤は、卵巣の機能に影響を与えるものが多く、一時的、あるいは恒久的に無月経になります。月経が再開しても原始卵胞(卵子の源)の数が減少し、不妊になる可能性が高くなります。

                       そこで、患者の妊孕性を保護するためには、治療前に卵子を採取して凍結し、治療終了後に融解して移植するのが基本です。パートナーがいない場合は、凍結保存しておいた卵子で将来、人工授精を行い、移植することになります。

                       パートナーがいれば、卵子採取後に人工授精を行い、それを凍結保存しておきます。1回の月経で採取できる卵子は1、2個と少ないため、効率よく行うために卵巣組織そのものを採取し、凍結保存する方法も研究されています。

                       こうした妊孕性温存治療は自費診療のため、年間百万円を超える場合もありますが、自治体によっては補助制度もあります。県内では従来、人工授精などを行っている産婦人科で実施してきましたが、秋田大学でも現在、取り組みが進められています。

                       がんになっても普通の暮らしができる本県でありたいものです。生殖機能の保護については、抗がん剤治療前に主治医や病院の相談窓口で相談することをお勧めします。

                       (はしづめ・たかひろ はしづめクリニック院長、秋田市)

                      posted by: hashizume-c | 医療 | 07:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - |